コーポレート・ガバナンスとは

企業が不正行為をしないように様々な角度から取締役会、監査役、監査役会などのが役職員の業務執行を監視、監督を仕組みをいいます。

 

コーポレート・ガバナンス体制の整備の目的

コーポレート・ガバナンスとは、企業統治と訳され、企業が様々なステークホルダーの利益を守り企業活動を行うための取り組み、体制、姿勢のことを指します。

企業には株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等様々なステークホルダーが存在し、それぞれの立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを整備する必要があります。

上場をするということは、新たな外部株主を多数迎え入れることであり、上場準備の際にコーポレート・ガバナンスを意識した体制整備が求められます。

 

コーポレート・ガバナンスの主な項目

コーポレート・ガバナンスを意識した体制整備としては主に以下のような項目があります。

(コーポレートガバナンス・コードに記載の項目をピックアップしています)詳細な整備内容はそれぞれの別の章をご参照ください。

全てが上場準備における経営管理体制の整備と一致しているわけではありませんが、重複している事項が多々あります。

  • ・株主総会の運営、権利行使に係る適切な環境整備
  • ・関連当事者取引
  • ・女性の活躍促進
  • ・内部通報
  • ・適切な情報開示
  • ・取締役会の運営
  • ・監査役及び監査役会の運営
  • ・独立社外役員の活用
  • ・経営戦略や経営計画の策定
 

コーポレートガバナンス・コード

東証では、有効的なコーポレート・ガバナンスの実現に関する原則を取りまとめた「コーポレートガバナンス・コード」を定めています。

本則市場の上場会社は、コードの全原則について、マザーズ及びJASDAQ市場の上場会社は、コードの基本原則について実施が求められ、実施しないものがある場合には、その理由を説明することとされています。当該事項は「コーポレート・ガバナンス報告書」に記載します。

全原則は47項目、基本原則は5項目あります。

 

コーポレート・ガバナンスコード基本原則

【株主の権利・平等性の確保】

上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。

少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。

 
【株主以外のステークホルダーとの適切な協働】

上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。

取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。

 
【適切な情報開示と透明性の確保】

上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。

その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤となることも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものとなるようにすべきである。

 
【取締役会等の責務】

上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、

(1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと

(2) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと

(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うことをはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。

こうした役割・責務は、監査役会設置会社(その役割・責務の一部は監査役及び監査役会が担うこととなる)、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場合にも、等しく適切に果たされるべきである。

 
【株主との対話】

上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきである。

経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾け、その関心・懸念に正当な関心を払うとともに、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そうした理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。

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